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結婚相談所を数社ならべて比べていると、あるサイトには「1年以内成婚率89.5%」、別のサイトには「成婚率54.8%」、そしてもう一社には成婚率の表示そのものがない、という場面に出くわします。同じ「成婚率」という言葉なのに、どうしてここまで数字が開くのか。高い数字を出している会社ほど成婚しやすいと考えてよいのか。比較の途中で手が止まってしまう人は少なくありません。
先に結論をお伝えします。成婚率は「分母に何を置くか」と「何をもって成婚とするか」で、まったく別の数字になる指標です。会社どうしで率の高い・低いを横に並べても比較になりません。見るべきは数字の大小ではなく、その数字がどう定義されているかです。この記事では、数字が食い違う仕組み(からくり)を分解し、公式表示を定義つきで並べたうえで、惑わされない読み方をお伝えします。
「成婚率90%」と「54.8%」が両立する分母のからくり

成婚率という言葉には、国が定めた計算式がありません。各社が自社の都合のよい分母を選べる状態です。代表的な分母は次の2つです。
- 全会員を分母にする: その時点で在籍している人すべてを分母に、成婚した人を割る。分母が大きいので率は低く出ます。
- 退会者を分母にする: ある期間に辞めた人のうち、成婚を理由に辞めた人の割合を出す。途中で活動をやめた人が分母から外れるため、率は高く出ます。
たとえばRINGBELL(リングベル)の「成婚率54.8%」は、担当コンシェルジュが付くIBJ系プラン入会者のうち、2026年8月時点までの退会者(成婚退会と通常退会の合計)に占める成婚退会の割合と注記されています(2026年9月時点・公式サイト確認)。分母は「入会者全員」ではなく「すでに辞めた人」です。さらに同社の「1年以内成婚率89.5%」は、成婚退会した人だけを分母に、そのうち入会から1年以内に成婚した人の割合です。つまり「成婚できた人の中でのスピードの話」であって、入会者が成婚できる確率ではありません。同じ会社の中でも、54.8%と89.5%は測っている対象が違うのです。
「成婚」の定義が会社ごとに違う(婚約か、真剣交際か)
もう一つのからくりが、成婚という言葉の中身です。ゴール地点をどこに置くかで、達成しやすさが変わります。
IBJ(日本結婚相談所連盟)の加盟相談所は「成婚=婚約」と定義し、IBJメンバーズも「お見合いや交際ではなく、プロポーズが成功し婚約した時点」を成婚としています(2026年9月時点・公式サイト確認)。一方、エン婚活エージェントは「成婚」を当社サービスで出会った相手と結婚を視野に真剣交際を決めた状態とし、結婚の約束が成立して退会する状態は別に「婚約成立」と呼び分けています。同社が公表する「成婚者のうち約80%が活動開始から1年以内に成婚」という数字は、この真剣交際に入った人を基準にしたものです。
婚約を成婚とする会社と、真剣交際を成婚とする会社では、ゴールテープの位置が違います。真剣交際段階を成婚と呼ぶほうが当然到達しやすく、数字は出しやすくなります。定義を読まずに率だけを比べると、ゴールの近い会社を「成婚しやすい会社」と誤解してしまいます。
公式表示を定義つきで並べる

各社が実際に何を表示しているかを、定義と一緒に並べます。数値の横並び比較はできませんが、「何を測っているか」の違いは一目でわかります(いずれも2026年9月時点・公式サイト確認)。
| サービス | 公式表示 | 定義・注記 |
|---|---|---|
| スマリッジ | 成婚率の数値表示なし | 率は掲げていない |
| naco-do(ナコード) | 平均6.6ヶ月で成婚/出会うまでのデート平均6.4人 | 会員データ2022年12月時点。率ではなく期間・人数 |
| エン婚活エージェント | 成婚者の約80%が1年以内に成婚 | 成婚=真剣交際を決めた状態。婚約は別区分 |
| RINGBELL | 成婚率54.8%/1年以内成婚率89.5% | 54.8%=退会者に占める成婚退会の割合。89.5%=成婚退会者のうち1年以内の割合 |
| IBJメンバーズ | 成婚=婚約 | プロポーズ成功時点を成婚とする |
| IBJ(連盟) | 成婚者の在籍日数 約9ヶ月 | 加盟相談所はすべて成婚=婚約で統一 |
スマリッジのように率を掲げない会社は、数字が悪いとは限りません。定義がそろわない指標を横並びで出すことに慎重なだけ、という見方もできます。会社ごとの料金や紹介人数を横並びで確認したい場合は、オンライン結婚相談所 比較|1年12万円と67万円で何が違うかで一覧にまとめています。
数字に惑わされない成婚率の読み方(判断フロー)
成婚率の表示を見たとき、次の順で条件を確認すると、数字の正体がつかめます。
- 分母は全会員か、退会者か。 退会者が分母なら「辞めた人の中の割合」であり、入会者が成婚できる確率ではありません。
- 成婚は婚約か、真剣交際か。 真剣交際を成婚と呼ぶなら、ゴールは手前にあります。
- 母集団に条件が付いていないか。 「担当コンシェルジュが付くプランの人」「トップコンシェルジュ担当分」など、限定された集団の数字であることがあります。
- 期間が区切られていないか。 「1年以内成婚率」は、成婚した人だけを分母にしたスピードの指標です。
この4点のうち一つでも注記が省かれていたら、率の高さをそのまま実力と読まないほうが安全です。逆に、RINGBELLのように分母・期間・対象を明記している会社は、数字の出し方に説明責任を果たしていると評価できます。定義を隠していないこと自体が、一つの判断材料になります。
成婚率より先に確認したい実態の指標

定義がそろわない成婚率に頼るより、比較の土台がそろっている指標を見るほうが実態に近づけます。
- 会員数(出会える母数): IBJ(日本結婚相談所連盟)の登録会員数は10.9万人超(2026年5月時点)、加盟相談所は4,700社超で、年間成婚組数は2025年で20,970組と公表されています。オンライン型の多くはこうした連盟の会員を検索対象にしているため、率よりも「誰と出会えるか」の母数が実利に直結します。
- 在籍期間の目安: IBJ連盟は成婚者の在籍日数を約9ヶ月、naco-doは平均6.6ヶ月と示しています。活動がどれくらい続くかは、月会費の総額に直結します。
- 紹介人数と料金: 毎月何名に申し込めるか、成婚料がいくらかは、成婚率よりも明確に横並びで比べられます。
成婚率は「その会社を選ぶ最後の一押し」にはなりますが、「最初の絞り込み基準」には向きません。母数・期間・料金で候補を絞り、最後に各社の成婚率を定義ごと確認する順番が現実的です。
よくある質問
成婚率が高い相談所ほど成婚しやすいのですか。
必ずしもそうとは言えません。退会者を分母にした率や、真剣交際を成婚とした率は高く出やすいためです。数字の大小より、分母と成婚の定義を確認してください。
成婚率を表示していない相談所は避けるべきですか。
避ける理由にはなりません。スマリッジのように率を掲げない会社もあります。定義のそろわない指標を出さない方針と考えることもでき、会員数や紹介人数など他の情報で判断できます。
「1年以内成婚率89.5%」はどう読めばよいですか。
成婚退会した人だけを分母に、そのうち1年以内に成婚した人の割合です(2026年9月時点・公式サイト確認)。入会者の89.5%が1年以内に成婚するという意味ではなく、成婚できた人のスピードを示す数字です。
「成婚=婚約」と「成婚=真剣交際」では何が違いますか。
ゴール地点が違います。IBJ系は婚約(プロポーズ成功時点)を成婚とし、エン婚活エージェントは真剣交際を決めた状態を成婚と呼びます。真剣交際を基準にするほうが到達しやすいため、率の単純比較はできません。
成婚率とあわせて何を見ればよいですか。
検索対象の会員数、成婚者の平均在籍期間、月の紹介人数、料金総額です。これらは定義がそろっているため横並びで比べられ、成婚率より実態を反映します。
各社の成婚率の定義はどこで確認できますか。
公式サイトの成婚率表示の近くにある注記(※印の脚注)に、分母・期間・対象が書かれています。注記が見当たらない場合は、無料相談で「その数字の分母は何か」を直接尋ねると確実です。
参考・出典
- RINGBELL(リングベル)公式サイト https://ringbell-marriage.com/
- エン婚活エージェント よくある質問 https://en-konkatsu.com/faq/
- naco-do(ナコード)公式サイト https://naco-do.com/
- IBJメンバーズ 公式サイト https://www.loungemembers.com/
- 株式会社IBJ(日本結婚相談所連盟)公式サイト https://www.ibjapan.com/
- 株式会社IBJ プレスリリース(登録会員数・成婚組数)https://www.ibjapan.jp/information/2026/06/02-4.html
- 厚生労働省「令和7(2025)年 人口動態統計月報年計(概数)の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai25/dl/gaikyouR7.pdf

